業界歴30年のテレビ番組ディレクターが教える動画制作の企画の立て方 良い企画を作るためには

質より量

企画を考える上で大切なことは、いきなり良い企画を作ろうとするのではなく、まずは思いついたものをどんどん企画として提案することです。実現性の低いものでも、とにかくまずは、数、具体的に言えば、企画会議の時に10個ぐらいは提案できるようにした方がいいです。もちろん、ボツ企画もたくさん出ますが、企画をたくさん出せば出すほど精度が上がってきます。考えれば考えるほど、悩んでしまいがちなので、思いつき重視で企画を考えていきましょう。また、その企画会議に数人、例えば5人が参加すれば50個の企画が出るわけです。その企画について、みんなでブラッシュアップすれば、

それなりの数になるはずです。ぜひ質より量を肝に銘じて、考えてみてください。

普段からネタを考える

企画は、デスクの上で悩んでもなかなか良い企画は思いつきません。日々の生活、仕事の中で、突然思いつく場合が多いです。ですので、普段から、思いついた企画はメモを取って記録しておくと良いです。スマホのメモ欄を活用するのも良いでしょう。思いついた企画を録音しておいて、後で聞き直すのも良いでしょう。私が企画を思いつきやすい瞬間は、電車の中、歩いている時、テレビを見ている時が多いです。電車の中は、外の景色を見ていたり、中吊り広告を見ているときに思いつく場合があります。歩いている時は、もちろん周りの景色もそうですが、誰かの話し声とか、複数人で歩いている時は、会話の中などの瞬間です。テレビを見ている時は、その番組の内容からヒントを得たり、出演者の話からヒントを得る場合もあります。ただここで重要なのは、常に企画を考えていることです。意識をしていないと、いいアイデアは思いつかないものです。日々の生活で、動画の企画について意識してみてください。

難しく考えない

色々と企画について述べてきましたが、実際のところ、構えて考えると、自分の企画のアイデアに迷いが生じます。迷いが生じてしまうと、「いやダメかも」という思いが強くなってしまいます。ですので、ダメだったら次考えればいいやという気楽な気持ちでいることが大切です。私がテレビ番組の企画を出すときにも、先輩にこう言われました。「難しく考えずにどんどん企画を出そう。企画を出すことで、さらに自分の表現したいことややってみたいことが整理されていくから」と。自分の頭を整理する上でも企画を考えることは重要です。繰り返しになりますが、難しく考えず、思いついたことをどんどん企画として提案していく。この姿勢で、動画制作に向き合ってみてください。

執筆者プロフィール

小笠原剛。日本テレビ系の番組制作会社に勤務。日本テレビの数々の番組を担当したのち、渡米。アメリカで3年間、MLB、NBA、NFLなどのディレクター業務を行った後、帰国。帰国後は、フリーランスとして、民放各局でテレビ番組を制作。2019年には、ストリートアカデミーというサイトを通じて「動画制作・動画編集・YouTube関連を教える仕事」を始める。2023年3月に株式会社いのししを設立。現在に至る。2024年8月に書籍「動画プロモーション入門」を出版。ご質問などは、公式LINEより、お気軽にメッセージをお送りください。

友だち追加