業界歴30年のテレビ番組ディレクターが教える動画制作の企画の立て方 どうやって企画を立てるのか

プロがやっている発想法

一口に企画を考えると言っても、どうやって企画を考えるのか、どういう思考で考えるのかは難しいと思います。私の場合は、まず企画のヒントになりそうなことを探します。 

方法その1は、作りたい動画のタイトルを考える。一言でその動画の内容を表現できるようなタイトルを考えていくという方法です。実現できるかは二の次で、まずはやりたいことを考えていく方が良いです。

方法その2は、作りたい動画のイメージに近いYouTubeの動画を調べる。YouTubeでキーワード検索をすると、いろいろな動画が出てきます。その中で、自分のイメージと近い動画を参考にして、企画内容を整理するのも一つの方法です。具体的にどういうポイントがあるのかは、後ほど詳しく説明します。

方法その3は、テレビ番組の企画を真似する。テレビ番組で自分のイメージするものがあれば、100%真似するのは難しいにしても、企画の一部でも真似するという方法です。これも、どういうポイントがあるのか、後ほど詳しく説明します。

研究の重要性

企画を考える上で、重要なのは、「研究」です。研究とは、他の人が作った動画やテレビ番組を見て、自分の動画作りの参考にすることです。具体的にYouTubeとテレビ番組の例で説明していきます。YouTubeはキーワードで検索するのですが、実際に動画を視聴してみて、自分のイメージに近しい内容であれば、その企画を真似します。100%ではなくても、60%ぐらい近ければ、やってみてもいいでしょう。大切なことは、1つの企画に執着せずに、まずは、より多くの企画アイデアを思い浮かべることです。質より量が重要です。同様に、テレビ番組でも、テーマだったり、企画内容が自分のイメージしたものに近ければ、その企画を採用して行った方が良いです。もう一つ、研究で重要なのは「成果」です。YouTubeだったら、再生回数が少ない企画をやってもあまり意味がありません。再生回数の多い企画、チャンネル登録者数の多いチャンネルの企画であることが重要です。同様にテレビ番組も、自分は面白い、興味があると思っていても、人気がない番組では多くの人に見てもらえない可能性があります。そこのところも意識すると良いでしょう。

企画は媒体によって違う

企画を考える上では、媒体も意識しなければなりません。YouTubeのような長い時間の映像は、じっくり見てもらう系の動画が良いでしょう。何か作業をする密着系とか、大食いなどの消費する系とか、あとは説明する系も合っていると思います。逆にTikTokやInstagramのリール動画などは短い時間の映像は、インパクトを与える内容が良いです。びっくりさせるとか、予期せぬことが起こるとか、あとは、音楽に合わせて何かをする系も短い動画でインパクトがあります。まずはいろいろな人が制作している動画をよく研究して、自分の企画を考えると良いでしょう。

具体的な企画例 短い動画

曲に合わせて踊る系の動画は、インパクトがあり、流行ると、多くの他の人も同じ種類の動画を上げますから、流行っている曲に合わせて踊れば、当たる確率は上がります。あとは、一問一答形式の動画。専門的な知識を持っている人や、特別な仕事、珍しい仕事などをやっている人が、この形式の動画を上げると、インパクトを与えるかもしれません。短い時間で質問と答えが出てくるところにその魅力があるので、答えを引っ張ってはいけません。すぐに端的な答えを出さないと、視聴者は離れてしまいます。ご注意ください。

具体的な企画例 長い動画

密着系の動画は非常に適しています。私が個人的に好きなのは、ゴミ屋敷の清掃をする会社のチャンネルです。掃除の過程も興味があって、ついつい最後まで見てしまいます。何かの作業の密着、誰かの1日の密着などは、撮影した時間に対して、あまりにも短く編集してしまうと、伝えたい内容が視聴者に伝わらなくなってしまうので、じっくり見せた方がいいです。一方で、その企画が魅力的でないと最初から見てもらえません。よくテレビでも、〇〇さん家族に密着の番組は長寿番組として、定期的に放送されています。また何かについての講義のような、ある程度時間を割いて説明する系も長い動画に適しているので、何かの講座動画はぴったりです。