収録用のメディアは持っているか(機材の確認)
撮影時にまず確認して欲しいのは、忘れ物です。普通に考えれば、撮影機材は忘れないものですが、長年映像業界で働いていた私でも、こういう経験があります。一つは、カメラマンが肝心の撮影用カメラを忘れたことがありました。他の機材の確認に気を取られていて、誰かがカメラを機材車に積んだであろうという思い込みで、現場に到着して初めて、カメラを忘れたことに気がつきました。都内の撮影ではなかったため、カメラを現場に運んでもらうまでに、2時間近くの待ちがありました。また、収録メディアを忘れたこともありました。今は、SDカードは、家電屋さんに行けば購入できますが、昔は、業務用のテープで収録していたため、家電屋さんに置いていることがなく、これも、会社から運んでもらいました。この時も、都内でなかったため、1時間以上の時間のロスがありました。もちろんプロなのにそんなミスをしてしまうことは問題ですが、機材の忘れ物は、撮影スケジュールに直結しますし、忘れ物をしてしまった負目から、落ち着いて撮影ができなくなる場合があります。機材の準備はしっかり前日までにしておきましょう。
音声が収録できるか(人の話声)
撮影時、音声も収録する場合は、その撮影場所が音声の収録に適しているかを判断しなければなりません。前にもお伝えしましたが、音声を収録する場合、特にインタビューでは、ピンマイクというマイクを使用して音声を収録するのが望ましいです。さらに、インタビュー以外でも、周りの環境音を収録し、それを動画に使用したい場合は、音声の収録も意識しなければなりません。例えば、人の話し声やボールペンのカチカチする音は、意外にきちんと収録されます。また、室内でも、窓側だと、外の環境音が綺麗に収録できてしまいます。廊下側でも、人の歩いている足音や、ドアの開け閉めも収録されるため、音声を収録する場合には、入念な配慮が必要です。救急車やパトカーのサイレンもよく響きますので、ご注意ください。
うつしてはいけないものが写っていないか(著作権の考え方)
外での撮影では、周りの人や物に配慮して撮影することが大切です。自宅や自社の敷地内の撮影であれば、そんなに問題はないかと思われますが、撮影する時には、画角に被写体以外のものが映り込むことがままあります。例えば、建物や景色を撮影しようと、カメラを向けてみると、関係ない人が映り込んでしまったり、繁華街や街中だと、余計な看板などが映り込んでしまったりします。映り込んでしまったものをそのまま動画で使用した場合、後でトラブルになる場合があります。特に道端で何かを撮影する場合は、往々にして撮影する人・物以外のものが写りがちです。なるべく映り込まないよう配慮しながら撮影しましょう。また撮影する際には、周りの人に「〇〇のコンテンツの撮影中です。ご迷惑をおかけします。映り込んでしまう場合があるのでご注意ください。」など声掛けすることも必要です。どうしても撮影時に余計なものが写り込んでしまった場合や余計なものが映り込んでいたのに気づかなかった場合、最悪は編集上で、モザイクをかけたり、トリミングで映り込んでいたものを切ったりして、対応してください。
明るさは大丈夫か(被写体が暗くないか)
最後に明るさの話をします。特に気をつけたほうがいいのは逆光です。逆光の場合は顔が暗くなってしまいます。顔が暗くならないようにライトを当てるか、順光で撮影するかを判断してください。逆光対策として、業界のプロがよくやるのは、レフ板と呼ばれる反射板を使って、顔を明るくするやり方です。光を反射する物であれば、レフ板でなくても良いです。太陽の光または照明の光を反射板で反射させて、その光を顔に当てます。それから、通常スマートフォンでの撮影であれば、あまり気にすることはありませんが、普通のビデオカメラや一眼レフカメラなどではホワイトバランスの調整が必要です。調整をしておかないと、明るすぎたり、暗すぎたり、赤すぎたり、青すぎたりします。編集ソフトで多少の修正は可能ですが、極端な修正はできないので、カメラに映る明るさも気にしながら撮影することが必要です。暗い場所や夜の撮影は、しっかりライトで明るく照らして撮影しないと、真っ暗で何を撮影したのかわからなくなってしまったり、映像が荒れたりするので、その点もご注意ください。