旅行系動画の考え方 その2

旅行系動画にシナリオは必要なのか、について解説していきます。
テレビの話で恐縮ですが、どんな旅行番組でも基本的にシナリオはあります。

最近では、シナリオのないガチで旅する番組も増えてきてはいますが、
ただ旅をすればいいわけではなくて、必ず出演者が守らなければならないルールがあります。

例えば、テレビ東京の旅行番組だと「予算」とか「チェックポイント」とか「制限時間」など、
かならず、ルールを決めているわけです。

ですので、もし旅行系動画を制作したい場合は、自分でルールを決めた方が良いです。
おすすめのルールとしては・・・

時間を区切る
予算を区切る
目的を区切る

最初の時間を区切るというのはわかりやすく言えば、1泊2日とか2泊3日とかそういうことです。
ごく一般的な旅行の区切りです。

見ている視聴者にその区切りを伝えることで、イメージを膨らませてもらうことができます。

次に、予算を区切るというのは、総額3万円とか10万円とか、
その予算感を区切ることで見ている視聴者に共感を与えることができます。

3万円だったら手が届きそうとか、10万円だったら、
豪華な旅行だなとか、より具体的な区切りを示すことで、より視聴者の気を引くことができます。

最後に目的を区切る。

これが一番大切なのですが、
どういう目的の旅行なのか、グルメ旅なのか、観光スポットを巡る旅なのか、ホテルでくつろぐ旅なのか、
それが区切られると視聴者もそのつもりで見ることができるし、興味を持っている人が最後まで見てくれる動画になるはずです。

今まで説明したのは、企画としてのルールですが、もう一つ、撮影のルールも決めた方が良いです。
撮影のルールというのは、どういうシーンを撮影するかです。

例えば・・・・・
食事シーン
観光地を巡るシーン
ホテルのシーン

食事のシーンを中心にと決めれば、食事のシーンをどう魅力的に撮影するかを集中的に考えます。

どのメニューを撮影しようとか、食リポはどういうコメントをしようとか、
料理をどうやって美しく撮影しようかとか、食事の撮影をするお店にも一言、お断りをしておこうとか、
その準備だけでも色々なことがあるので、結構大変になります。

逆にそれ以外のことはあまり撮影しなくても動画はできるので、あとは、普通に旅行すればいいのです。

次に観光地を巡るシーンですが、ありきたりというか、
ガイドブックに載っているような場所ばかり回っては、視聴者の気を引く動画になりにくいです。

ガイドブックに載っていないような、魅力的な場所を探して、そこを撮影した方がいいです。
ということは、そういう場所をリサーチしなければなりません。

事前にリサーチするのも良いですが、現地で探した方がより良い情報を得られるでしょう。

ただし、そのための時間も計算に入れて旅行のプランを立てなければなりません。

最後にホテルのシーンですが、これはまず事前にホテルに許可を取ってから、撮影するのがルールです。

アポなしで撮影していると、ホテルのスタッフに注意されたりするかもしれませんし、
途中で「やめてください」と断られてしまう可能性もあります。

逆にホテルに協力してもらうと、簡単には撮影させてくれないようなところも撮影させてくれるかもしれません。
しっかりホテル側に自分の意図を伝えることが重要です。

結局、旅行系動画の場合は、撮影をするために旅行をするのです。
それを忘れないようにしなければなりません。

一方、撮影するポイントを事前に決めておけば、
そのほかは撮影しなくて良いわけですから、「旅行先で自分のやりたいこと」もできるわけです。

事前にシナリオというか、概要を決めておくと、その後の作業が楽になるはずです。

次回は撮影のコツを詳しく解説していきます。

執筆者プロフィール

小笠原剛

小笠原剛

日本テレビ系の番組制作会社に勤務。
日本テレビの数々の番組を担当したのち、渡米。

アメリカで3年間、MLB、NBA、NFLなどのディレクター業務を行った後、帰国。

帰国後は、フリーランスとして、民放各局でテレビ番組を制作。
2019年には、ストリートアカデミーというサイトを通じて「動画制作・動画編集・YouTube関連を教える仕事」を始める。

2023年3月に株式会社いのししを設立。現在に至る。

2024年8月に書籍「動画プロモーション入門」を出版。

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