業界歴30年のテレビ番組ディレクターが教える動画制作の撮影方法 動画制作に必要な機材の知識

機材は何を揃えれば良いのか(カメラ・三脚・マイク・照明)

今回は、撮影についてお伝えしたいと思います。動画制作にとって撮影は、非常に重要です。撮影に失敗すれば、いい作品はできません。例えば、ピンボケだったり、撮影したい対象物が画角に入っていなかったりすれば、その映像は使えません。また撮影には、映像を記録するだけでなく、音声の収録もあります。動画の中でインタビューなど、音声を聴かせる部分では、映像だけでなく音声も視聴者に聴かせるわけですから、ノイズが入っていたり、レベルが低かったりして、音声が使い物にならなければ、その撮影は失敗となります。YouTubeで自分のことを撮影するにしても、社内のプロモーション動画の撮影にしても、撮影をおろそかにはできないわけです。では、どんな機材が必要なのかというと、最低限4つです。カメラ、三脚、マイク、照明です。カメラはどんなカメラが良いのかはこの後詳しく説明しますが、今自分で持っているもの、例えば、スマートフォンなら、スマホで良いし、ビデオカメラをお持ちであれば、それでも構いません。三脚はカメラを固定するのに必要です。三脚がないと、手ぶれのある映像になってしまいます。もちろん、臨場感を出すために、手ぶれをわざと表現する場合もありますが、テクニックが必要なので、あまりお勧めしません。三脚でなくても、自撮り棒を使ったりする場合もあります。マイクは、その作品の中で音声を使用する場合は、マイクが必要です。特にインタビューでは、ピンマイクと呼ばれる、胸につけるマイクが必須です。照明は、室内や野外でも逆光になる場合は、あったほうが良いです。カメラ以外はAmazonなどで数千円で購入可能です。調べてみてください。

カメラは何を使うのが良いのか(スマホ・一眼・GoPro・ジンバル)

次に、カメラについて説明していきます。動画の撮影にあたってはカメラは非常に重要です。個人的にはなるべく使いやすいものを使用したほうが良いです。使いやすいものというのは、今まで使ったことがあるとか、すでに自分で持っているものが当てはまります。まず一番手軽なのは、スマートフォンです。多くの人がすでに動画の撮影機能があるものを持っていて、すぐにでも撮影を始められるからです。また、最近多いのが一眼レフです。スマホと違うテイスト、背景をぼかしたりできるので、使いこなすことができれば、個性あふれる映像に仕上がります。またアクションカメラと呼ばれる小型のカメラ、代表的なのがGoProですが、これは、頭や胸などの身体の一部にベルトで固定できたり、自動車や自転車などの乗り物に取り付けることができるため、両手を使った作業・動作を撮影したい場合や乗り物の動きや景色を撮影したい場合に有効です。ジンバルというのは、小型のカメラでスマホよりも軽いため、そのカメラで簡単に動きをつけた映像を撮影できます。YouTubeやプロモーション動画でよく使われるのは以上の4つのカメラになります。料金的には一眼レフカメラは数万から十数万円かかります。GoProは5、6万、ジンバルは2万ぐらいでしょうか。撮影用のカメラは、最初は新たに買うより、今あるものを使ったほうが良いでしょう。新しいカメラを買うと覚える作業は発生するので、より大変になります。ご注意ください。

音声の収録方法(ピンマイク・カメラマイク)

続いて音声の収録方法です。通常音声は、カメラマイクで収録されていて、普通にスマホで撮影すると音声も収録されています。ただし、冒頭で説明した通りインタビューの音声を収録する場合は、ピンマイクと呼ばれる胸につけるマイクが必要です。カメラマイクでインタビューを収録すると、周りの雑音も一緒に収録してしまいます。室内の会議室のような密室であれば、そこまででもありませんが、屋外や室内でも、廊下の近く、道路に面した部屋などでは、足音や、車の通る音も一緒に収録されてしまいます。その音がなるべく入らないようにピンマイクと呼ばれるマイクを胸に装着し、話している声がより近い状態で収録するのです。スマホのカメラ用のピンマイクはAmazonで数千円で売っているので、インタビュー収録を考えている人はぜひ購入してください。

三脚・照明の選び方(三脚・自撮り棒・ジンバル・LEDライト・丸ライト)

最後に三脚と照明の話をしていきます。先ほども説明した通り三脚は、手ぶれ防止のためにも必要です。Amazonで1000円ぐらいで買えます。ただし、あまり高さがないような三脚じゃないほうがいいです。座った時にベストな高さは1メートルぐらいなので、最低でもそのぐらいの高さが確保できる三脚を用意してください。また、手ぶれなしで、カメラを動かして撮影できる自撮り棒も有効です。自撮り棒はその名の通り、自撮りをするときに手ぶれなしで安定した映像を撮影できます。カメラマンがいない時に自分を映したい時に非常に便利です。ジンバルは、自撮り棒とは違った意味で手ぶれのない安定した映像を撮影できます。動かしても、被写体の方を向くので、長いカメラワークやカメラを動かし続けて撮影するときに有効です。続いて照明ライトです。通常は被写体に当てたい場合はLEDライトを使用することが多いです。バッテリーで照らすことができ、電源がないところでも使用できます。顔を当てるだけであれば丸ライトも便利です。真ん中が空いていて、丸い蛍光灯のようなライトです。空いている真ん中にスマホなどのカメラを設置できるものが多く、撮影をするのにも便利です。ぜひ試してみてください。もしわからないところがあれば、いつでもお問い合わせください。

執筆者プロフィール

小笠原剛。日本テレビ系の番組制作会社に勤務。日本テレビの数々の番組を担当したのち、渡米。アメリカで3年間、MLB、NBA、NFLなどのディレクター業務を行った後、帰国。帰国後は、フリーランスとして、民放各局でテレビ番組を制作。2019年には、ストリートアカデミーというサイトを通じて「動画制作・動画編集・YouTube関連を教える仕事」を始める。2023年3月に株式会社いのししを設立。現在に至る。2024年8月に書籍「動画プロモーション入門」を出版。ご質問などは、公式LINEより、お気軽にメッセージをお送りください。

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